患者様にスリール製作をしております吉成です。
今日は化学療法中の頭皮冷却に効果についてお話をします。
最近スリールのご試着の方に
必ずアドバイスをさせていただいておりますのは
化学療法投薬中の頭皮冷却についてです。
投薬の点滴中に頭を冷やすと毛根にダメージが少なく髪が生えやすくなります。
頭皮冷却装置を導入している病院もありますが
そうでない場合は保冷剤をご持参して冷やすことでも効果はあります。
1Paxman Scalp Cooling キャップ
この装置は投薬中に-4℃に冷却された冷却液がキャップ内を継続的に循環し、頭皮を一定の温度に維持するものです。
ご使用された方にスリールお作りする機会が何度もあります。
結論はPaxmanを使用してもウィッグ生活になる方が大半です。
4回の投薬で、上手に冷やしてくれる病院ですと
部分ウィッグで乗り切れることもありそうです。
投薬回数が多くても
残る髪も多く、生えだしも早いので
ウィッグ卒業は断然早くなります。
Paxmanは病院関係者が装着してくれるのですが
冷やす具合に寄って脱毛状況も変わります。
また脱毛の軽減と発毛しやすくなるのですが、マイナス点もあります。
顎や頭が痛いキャップを固定するベルトを顎で支えるのですが、かなりきつく締め付けています。またしっかり締め付けたほうが脱毛は少ないようです。冷やしすぎにより頭痛になり辛い方もいます。
とにかく寒い 冷却中は電気アンカーなどをお腹に置いてくれたりしているのですが、それでも寒い。
キャップのにおい化学療法中は匂いに敏感になる方も多く、キャップがゴムの匂いがしてトラウマのような方もいます。
(上記は個人で感じ方が違います)
費用がかかるキャップは買い取り、レンタル、どちらか選べたり、病院に寄ります。キャップ買い取り10万円~15万円程度、使用料毎回1万円〜1万5千円程度というのが多いようです。
2冷却帽子
お使いの患者さんも多い熱中症対策の帽子です。
付属の保冷剤を帽子のポケットに入れて頭を冷やします。
付属の保冷材は柔らかいタイプのものですが
硬いタイプの方が長時間冷却できます。
また、つむじあたりは頭の形で空間ができてしまうこともありますので
ご自分で保冷剤を用意してよい位置に装着した方が冷えが良いです。
お使いの方々は、髪の伸びは順調です
保冷剤を長年生産している会社が開発しています。
こちらをお使いの患者さんの脱毛から自毛デビューまでサポートしたことがあります。
ウィッグは必要になりましたが、治療後の髪の伸びはとても順調でした。
たくさんの保冷剤を冷凍庫で3日前から冷やしだすため、
専用に冷凍庫をご購入やレンタルされる方もいました。
3保冷剤
食品などの保冷で使用するものを、点滴中に頭に乗せて頭皮を冷やします。
治療後に髪の伸びが遅い傾向の前髪や頭頂部を
重点的に冷やせるようにアドバイスさせていただいております。
冷やす方法はキャップなどに保冷剤を挟んで使用したり
手ぬぐい2枚を重ねて縫って保冷剤のポケットを作った方もいました。
点滴中は片腕が固定されているため
保冷剤を付けなおすことが難しくなります。
全体を冷やせることに越したことはありませんが
欲張らず伸びずらい部分を冷やしておくこともご提案しております。
写真の方は私のアドバイス通り頭頂部から前髪に
保冷材を乗せていました。
![](https://sourire-wig.jp/wp-content/uploads/2023/10/img_0586.jpg)
冷やされたところの伸びが良いのがわかります。
通常頭頂部は伸びが遅いのですが
冷やしている部分は治療中から伸びだしたそうです。
保冷材は柔らかいと頭の丸みに沿いますが
保冷効果の時間は固いものに比べると短いです。
また、ご紹介しました愛帽では頭皮側に柔らかい保冷剤、外側に固い保冷剤を入れるようになっているそうです。
(お使いの患者様から伺いました)
この辺も工夫されると良いと思います。
4 治療回数の多い方の場合
アバスチン+パクリタキセル、アブラキサン、エンハーツ、ハラヴェン
他にも回数の決まっていない治療の方にも
保冷材の頭皮冷却をお試しいただいている方は私のお客様にたくさんいます。
継続する治療では頭皮を冷やしても、髪がぐんぐん伸びるわけではありませんが
細くて短い髪で頭皮は覆われます。
伸びてきた髪に白髪がある場合は、ヘアーマニキュアで染めることもしておりまし、
くせ毛で不自然さがある場合はトリートメント効果の強い優しい縮毛矯正も行っております。
頭皮が髪で覆われるということで
人は気持ちが楽になるのだと、多くの患者さんを見てきて思います。
写真の方はタキサン系1年、エンハーツ2年と脱毛のある治療が続きました。
![](https://sourire-wig.jp/wp-content/uploads/2023/10/img_4305.jpg)
毎回保冷帽子をご持参され
定期的に頭皮デトックスにご来店いただいています。
この時はトリートメントでくせ毛を落ち着かせて
ヘアーマニキュアで白髪をお染しました。
続く治療の中、治療の度に保冷剤で冷やし続けること大変だったと思います。
この方は、写真撮影の後は脱毛の無い治療に変更になり
髪は増え続けています。
3年間の脱毛を伴う治療は頭皮冷却をされていなければ、今もウィッグ生活だったはずです。
頑張った甲斐がありますね。
病院の看護師さんの中には頭皮冷却の効果を知らない人たちもたくさんいます。
ひとたび【頭皮冷却 抗がん剤】と検索すると頭皮冷却を推奨している病院もたくさんありますが、
現場の医療従事者が冷却を知らないということを
患者さんたちから多く伺いました。
エビデンスが無いなど看護師から言われた方もいますが
そんな言葉は気にしないで冷やしてくださいと言っています。
頭頂部の髪が思うようには増えず
部分ウィッグを販売させていただいく機会も多いのですが
頭皮を冷やしていた方には部分ウィッグの必要がありませんでした。
ウィッグ会社なのに部分ウィッグが売れなくなりますが(笑)
縁あって知り合えた方々の笑顔の方が何より大事なことです。
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自毛デビューまで安心です。
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